Human Experience

公開日:2019.01.29

「働き方改革」を背景に東京でコワーキング急増

サービス・オフィスやコワーキング・スペース、サテライトオフィス等の外部貸しの共有オフィスを指す「フレキシブル・スペース」が東京でも急増しています。中でもAグレードオフィスを中心に急激に施設数を伸ばしているのがコワーキング。背景には「働き方改革」を推進する法人企業のニーズ拡大があるようです。世界を席巻する海外オペレーターのみならず、国内大手デベッロッパーもこぞって自社運営の施設を開業、市場の拡大を牽引しており、選択肢が広がることは利用者にとって喜ばしい状況です。

2017年頃から供給量が急拡大

JLLレポート「フレキシブル・スペース:アジア太平洋地域における事業展望」(翻訳版)によると、アジア太平洋地域の主要12都市においてフレキシブル・スペースのストックは2014年-2017年で年平均成長率35.7%を記録し、米国(25.7%)や欧州(21.6%)を大きく上回る結果となりました。調査対象都市の1つとなった東京でもフレキシブル・スペース市場は急拡大しています。JLL日本の調査では、東京都心5区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)でフレキシブル・スペースの床面積が急拡大していることが判明しました。2013年以降面積ベースで緩やかに増加を続けてきましたが、2017年からそのペースは加速。2017年は16,902㎡、2018年には32,624㎡へとほぼ倍増し、この2年間で62,608㎡になると見込んでいます。

WeWork上陸で拠点当たり平均面積が倍以上に

供給量を下支えしているのが2018年から日本に本格上陸した米国発の「WeWork」をはじめとするコワーキングです。これまで中小ビルの空室有効活用策と認識されてきましたが、現在は利便性の高い都心部のAグレードオフィス内にラウンジ等の共用スペースを充実させた大箱タイプの施設を次々と開設しています。

東京でコワーキングが増加している主な理由は、少子高齢化による働き方改革への対応だと考えられています。人口減少社会にあって労働生産性の改善は企業にとって喫緊の課題です。通勤時間を削減して労働効率を高めるという考え方が大手企業に広がる中、場所的・時間的に柔軟に使えるコワーキングは非常に使い勝手がいい存在です。例えば、外資系企業はプロジェクトごとに柔軟にスタッフ数を調整する傾向にあり、プロジェクトの拡大・縮小に合わせてオフィス床も柔軟に調整したいとのニーズを常に抱えています。しかし、一般的な賃貸借契約では解約までに6カ月程度要することになり、床面積が固定されてしまいます。なおかつ内装造作工事の投資負担や保証金の負担が重い。ところがコワーキングなら条件によって内装造作が施された執務スペースを1カ月単位で利用可能なため、仮にプロジェクトが頓挫しても早期撤退が可能です。

国内デベロッパーも参入

日本のデベロッパーもコワーキング運営事業に積極的に参入しています。三井不動産は2017年4月に法人会員向け多拠点型シェアオフィス「WORKSTYLING」を開始し、2017年12月には東京・八重洲に床面積2000㎡に及ぶ旗艦店を開業しています。また、森ビルは2017年12月に六本木ヒルズ森タワー内に「公園」をコンセプトとしたコワーキング・スペース「Park6」を開設。NTT都市開発は2018年4月に保有ビル内でコワーキング事業「LIFORK(リフォーク)」を開始しました。その他、東急不動産の「ビジネスエアポート」、東京建物のシェアオフィス「+OURS(プラスアワーズ)」や日本土地建物の「SENQ(センク)」等、その顔ぶれは実に多彩です。

本社以外で働くことができるコワーキングは企業の「働き方改革」に寄与する一方、WeWorkのように施設利用者同士を繋げるコミュニティネットワークへの「参加権」を売りにする施設もあります。利用ニーズは多様化しており、東京のみならず、世界的にさらに拡大していくのではないでしょうか。

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