Human Experience

公開日:2018.07.22

海外から見た日本の労働環境 – 日本にはワークプレイス改革が必要だ!

日本では、タウンホール・ミーティングから廊下での立ち話まで、オフィスのあらゆるところで「ワークプレイス改革」が話題となっています。日本の企業や政治家は、従業員の生産性向上や組織の福利厚生に真剣に取り組むようになっています。

市場はワークプレイス改革に注目

なぜ国中にワークプレイス改革の話題があふれかえるようになったのでしょうか。

日本が経済成長を続けていくための大きな課題として、少子高齢化と職場における構造的な問題がクローズアップされ、ワークプレイス改革の必要性が高まってきました。生産性を向上させる有意義な改革を行うことで、従業員の離職率の低下や職場における男女平等を改善に繋がり、労働人口減少の影響が緩和されると期待されているのです。

2017年初頭、安倍首相は日本企業、いわゆる「日本株式会社」に有意義な働き方改革を実行するという長期的な取り組みを再確認し「今年は働き方改革断行の年」であると述べました。
安倍首相にとって働き方改革は「アベノミクス」成功に不可欠な「構造改革の柱」として位置づけられるほど重要な取り組みです。この戦略は、安倍首相自身が議長となり、有力な政治家や財界トップ・有識者で構成され、ワークプレイス改革を通じた「経済成長の加速」という共通の目標を掲げる「働き方改革実現会議」の議題の一つとなりました。

日本のワークプレイス解剖

外国では、日本は伝統的に労働者の健康が軽視されがちな労働文化があると見られています。こうした企業風土は日本の労働倫理や規律を象徴するものですが、職場において深刻なマイナスの影響ももたらしています。
このうち最も悪名が高いのは「サービス残業」です。賃金を受取らずに残業することは違法であるにもかかわらず、従業員はしばしば長時間のサービス残業が避けられないと感じています。典型的な日本の従業員は、欧米の従業員の伝統的勤務時間よりもはるかに長い時間無償で働き、会社に「サービス」を提供しているのです。

伝統的な日本企業では、従業員は上司が仕事を終えるまで職場に残るよう圧力を感じるため、夜遅くまで残業することになります。問題は、労働が数時間延長されることだけではありません。2016年の政府調査では、調査対象企業の4社に1社で従業員が毎月80時間以上のサービス残業をしていることが明らかになりました。
この値は非常に危険です。80時間というのは、それを超えれば心臓発作、脳卒中、最終的には自殺といった労働者の健康に危険をもたらし得る基準となる値なのです。同じ政府調査で、日本の労働力の約20%が「過労死」の危険にさらされているとの結論が得られています。

日本では従業員の自殺報道は珍しくありません。2015年のクリスマスの夜、若い女性が1月に100時間超の残業をした後に自殺するという悲劇がありました。恒常的な残業と、日本の職場の厳格な上下関係がもたらす精神的ストレスは労働者の限界を超えることがあります。
これほど極端でない場合でも、残業はしばしばワーク・ライフ・バランスが崩れる根本的な原因となっています。首都圏では、深夜の地下鉄車両は帰宅するサラリーマンでいっぱいです。こうした労働者は、スーツを着て居眠りしていることも珍しくありません。滑稽な姿ではありますが、日本の従業員がくたびれ果てていることや、適度なワーク・ライフ・バランスが維持されていないことを象徴しているのです。

健康増進で生産性向上

2015年の世銀データは、二つの異なる様相を描いています。日本の総GDPは米国と中国に次ぐ世界第3位に位置付けているものの、一人当たりGDPは第24位となっており、日本の生産性が他の先進国に比較して低いことが明らかになりました。

生産性の鍵となるのは、激しく働くことではなく、スマートに働くことなのです。この重要な違いを修得することが、企業の経済的健全性と従業員の健康の両方を改善させるためには不可欠です。従業員のエンゲージメント(会社との結びつきや愛着)とモチベーションを重視することは、優れたワークプレイス戦略の支柱となります。

日本企業は伝統的に費用と生産の効率最大化を重視してきましたが、近代的なトレンドはワークプレイス変革を通じた企業価値の創出へと移行しつつあります。ワークプレイス改革は、低い生産性の影響に対処するために必要であり、個人や企業の経済的健全性に新しい時代をもたらすのではないでしょうか。

欧米では以下のような一歩を踏み出すことで、ワークプレイス改革を開始しています。

有害な企業文化の排除:職場での残業が企業文化の主な特徴だとしたら、リーダーと組んでこの慣行の排除に取り組み、社内のワーク・ライフ・バランスを改善させます。

何が従業員のモチベーションを高めるのか理解する:従業員にとって何が重要なのかを理解し、ワークプレイスのデザインや福利厚生等、それを支える環境を整えます。従業員が職場に満足し、健康であることで、死に至ることすらある職業ストレスのリスクを低下させることさえできます。

職場の期待の抑制:長時間働くことは、必ずしもよりよく働くことを意味しません。従業員に対する職場の期待を合理的なものに抑え、従業員が健全なワーク・ライフ・バランスを築けるようにします。そうすることで、企業により健康で生産性の高い労働力がもたらされます。

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