Human Experience

公開日:2018.07.20

ワークプレイスは「ヒューマン・エクスペリエンス」の時代へ

「未来のワークプレイス」とは、単に新しいオフィスを建設することを意味しているのではありません。継続的に効率性、ダイナミズム、心身の健康を提供するには、ヒューマン・エクスペリエンス実現にむけたプログラムを策定しなければなりません。
「ヒューマン・エクスペリエンス」とは、JLLが提唱する働き方に関するコンセプト「Future of Work」の5つの構成要素の1つであり、「人の体験」を大切に考えるワークプレイス環境を充実させることで、従業員は「Well-being」を体感し、生産性を自発的に高めていくことができるという考え方です。同僚だけではなく起業家や他の組織の従業員とも集い、交流し、協力できる場となります。
では、未来のワークプレイスへの移行はどうすれば成功できるのでしょうか。

正しい行動の確立

まず、物理的環境は未来のワークプレイスへの移行を受け入れる過程の一面にしか過ぎないと理解することが重要です。企業はワークプレイスにおける行動を確立した上で、適切なスペースとテクノロジーでそれらの行動を支えるべきであり、労働力の変革を考える際に、実行プロセスなくしてワークプレイス改革を実現することはできません。

そして、新たな環境に移行する前に、新たな行動が既に企業文化に組み込まれているべきです。人材のために場所を用意し、人を変化に備えさせることが重要です。従業員に新たな技術やスペースを与えても、その使用方法を即座に理解し、新たな行動を受け入れるとは限りません。

常時フィードバックを受ける備えのあるスペース

新しいスペースの確立に「設定後は放置」はありえません。イノベーションゾーンがフルに利用されるようになるまで、育成し、試し、改善しなければならないのです。スペースと従業員が共に優れた成果を挙げるためには、継続的なスペース管理を組み合わせる必要があります。

新しい建物やスペースはこれを容易にするでしょう。未来のスペースは継続的モニタリングとリアルタイムのフィードバックを約束しています。将来的には、職場環境のあらゆる場にセンサーが設置されるようになるでしょう。センサー技術とユーザーエクスペリエンス(満足度)、スペース設計を組み合わせれば、あるべき職業文化は明確になります。
スペースの修正、再編、および微調整にはデータを活用することを推奨します。これにより、スペースと従業員の行動プロファイルが一致し、スペースが働き方を支えることが確保されます。

健康第一

「健康」という概念の重要性が増しており、満ち足りたワークプレイスと生産性向上を結び付ける学説が現れています。英国の研究者は、幸福感は従業員の生産性を10%以上向上させるとの調査結果を得ました。職場における幸福感には複数の要素(ポジティブな人間関係、刺激的な仕事、功績が認められること等)がかかわってきますが、快適で高度に機能するオフィス環境も重要です。

物理的なスペースと同様に、施設利用者の満足度も常時監視され改善されなければなりません。心身の健康は、職場のエクスペリエンスを改善する上で大きな位置付けを占めます。多くの組織が従業員の幸福感と生産性の向上と、欠勤や長期的医療コストの削減を牽引するべく健康プログラムを立ち上げています。栄養講座、従業員用の自転車やシャワー設備の提供、リラックスするためのヨガや太極拳クラス、インフルエンザの予防接種から、従業員が選んだ慈善団体でのボランティアのための有給休暇まで、こうしたプログラムにはあらゆる対象が含まれています。

このようなプログラムはまた、職場における効率性を改善させるべく物理的スペースも改善させなければなりません。国際的基準では建物が従業員の健康にどのように貢献しているかが評価されます。この基準は健康を空気、水、光、栄養状態、フィットネス、快適性、および精神状態の7つの区分に分け、102項目について計測して、建物のオーナーとテナントの両方が健康増進のために実行できる戦略や手続きを設計します。

「健全」なワークスペースとは、優れた設備の整った職場、接続性の高いチーム、身体的に健康な従業員を指しているのです。人々は驚くほどの情報量を有しており、座りっぱなしの仕事は健康面でリスクがあることが認識され始めています。今後、従業員は健康に感じられることを要求するようになり、組織はこれを念頭に置かなければなりません。いずれどの組織もより広いコミュニティに対して社会的計画を提起しなければならなくなりますが、それにはまず自社の従業員から始めるべきです。

行く手に控える課題

将来繁栄する企業は、ワークプレイスに「ヒューマン・エクスペリエンス」を取り入れる意思がある―物理面と文化面を責任もって管理された環境で一致させる―企業のみになると推測しています。

時間の経過と共に技術が発展し続ける中、仕事に影響を与える劇的な変化が数多く生じており、今後も変化は続くでしょう。繁栄するためには敏捷であり続け、時代を先取りし、常に将来的な混乱を警戒していなければなりません。ワー
クプレイスについての包括的なビジョンを受け入れ、ダイナミックな職場の形成を演出するよう努力しましょう。

明日の職場は単なるスペースではありません、従業員の「体験」を大切にする「ヒューマン・エクスペリエンス」の場なのです。

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